参加者のご感想
数学カフェによく参加してます、ありです。
今回は数学カフェの参加したきっかけから実際に参加して得たもの等について話したいと思います。
数学カフェに参加したきっかけ
僕は大学は数学(数論)を専攻しており、修士では岩澤理論(注1)について研究して、その後某会社に就職しました。
数学カフェに出会ったのは就職して数年たった頃です。
その頃は仕事は慣れてきたけど今の環境にずっといるのは微妙で、何かを変えたいなと思っていた時期でした。
なんのきなしに「数学 イベント」とGoogleで検索してみると数学カフェ 圏論回がヒットしたのです。
開催場所もよくわかるものでしたし、発表内容も面白そうだったので参加してみたのですが、これが非常に楽しかった。
久しぶりに1日数学するのはやっぱり楽しかったし、久しぶりに数学が好きな人に囲まれてテンションが上がりました。
この後、何回か参加するうちに参加者の何人かと仲良くなってました。
数学カフェ予習会の発生
個人的に印象的だったのは圏論回の第二回です。テーマの一つがヴェイユ予想ということで、適当につぶやいたら、こんなリプライが来ました。
じゃあ、セミナーして基本的なことを少し話そうかなと思っていたら、いつの間にかいろんなのりで予習会を開くことになってました。
この気軽さはちょっと焦る部分もありましたが、自由な感じが楽しかったのをよく覚えています。
相当久しぶりのセミナーでかなりボロボロだった気がしますが、予習や発表を通じて、数学自体の面白さ、勉強して新しいことを理解する楽しさを体感できたなと思っています。
締め切りに追われつつも限界までいろいろ頭を回転させながらいろんな概念を覚えていくのは本当に楽しいもので、最初は焦りましたが、終わった時は発表の機会をくれた方々に感謝しました。
この発表以降、発表してこその数学カフェという気分で何回も予習回を発表しました。
発表の機会
社会人が数学の発表をする機会ってかなり少ないですよね。
発表は緊張する時もあるし、準備も大変ですが、数学を勉強したいという人には発表をおすすめします。
全力で準備したものは自分の身になりますし、仮に理解できていなくて質問に答えられなかったとしても、自分ひとりではできなかったことを考えるきっかけになります。
特に大学で数学専攻でなかった人は是非発表してみることをおすすめします。数学を問題なく議論するのはなれないと難しいです。もちろん、慣れてからもミスはあるものですが、慣れてないとそもそも何が間違っているかわからない状態に陥ることになります。
ですので、他の人からフィードバックがある状況で発表し、しっかり議論するのは自分にとってメリットしかないです。
数学カフェの魅力
こうした発表も楽しいですし、参加してみて、自分があまり知らなかった分野の話を聞けたり、普段数学をしてるわけじゃないけど数学に興味を持たれる方もいらっしゃるということ自体がとてもいいものです。
数学に興味を持つ人って自分が思っているよりも多いんだとか、自分の好きなことについて話して通じる気持ちよさ、数学好きは是非そういうものを味わってください。
また、運営が非常にアグレッシブで、気軽に数学の無茶振り(笑が飛んでくるので(注2)チャレンジには飽きない面白さがあります。
結果、新しい数学を勉強する機会にもなりますし、その分野の詳しい方から意見が頂ける機会もあります。
もちろんただ無茶振るだけでなく、コロナの中、いち早くリモートでもくもく回等を実施されたりと、数学を楽しく勉強できる環境を作ることに余念がありません。
きっと参加してみると、自分なりに楽しみ方、数学との向き合い方が見えてくるんじゃないかと思います。
ぜひ数学に興味がある方は参加してみください。
編集部注
注1:岩澤理論とは?
Tsujimotter さんの岩澤理論紹介スライド
憧れの岩澤理論 MathPower 2017
Web上で読める岩澤理論の資料
2003年度整数論サマースクール「岩澤理論」
東大数理連続講演会アーカイブ動画 加藤和也先生
第05回 岩澤理論の発展
2005年日本数学会秋季総合分科会総合講演 加藤和也先生
岩澤理論の発展
注2:
無茶ぶりとは、予習会・復習会での講演依頼のことです。
編集部からありさんへ。
ありさんが予習会実施の提案をしてくださったことで、数学カフェの活動は更に深く真剣なものになりました。
ありさんの数学に取り組む真摯な姿勢を受けて、運営側もより一層精進しようという意欲が高まり、継続出来ています。
これからもよろしくおねがいします。ご寄稿どうもありがとうございました。
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