第38回数学カフェ「確率過程と数値計算〜見えないものをみる方法〜」を開催しました

2023年9月30日に第38回数学カフェ「確率過程と数値計算〜見えないものをみる方法〜」を開催しました。

69名の方にお申し込みがありました。
イベントページ

イベント概要

  • 日時:2023年9月30日 13:00–17:00
  • 場所(ハイブリッド開催):新宿ビジネスビル(東京都新宿区西新宿7-4-4 武蔵ビル6F)
  • 講師:簗島瞬先生(東京都立大学)
  • 想定対象:数理ファイナンスなど確率論が活躍する場面に関心のある方、視覚障害の方向けのソフトウェアの開発に興味のある方など(参加資格はありません。ご興味のある方はどなたでも参加できます)
  • 参加費:一般1000円・学生500円
    • ご寄付いただける方は、チケットを複数枚ご購入ください
    • チケット購入の方にはアーカイブ視聴可能です

本講演に先立ち、高校数学の知識から勉強するベーシック予習会、および、株式会社すうがくぶんかさんとのコラボ企画として、本講演に関連した発展的内容な内容を扱うアドバンスト予習会を開催します(詳細は下記)。

スケジュール

  • 13:00–13:15 開会
  • 13:15–14:15 講演1(前半):確率過程と数値計算〜見えないものをみる方法〜
  • 14:15–14:30 休憩
  • 14:30–15:30 講演1(後半)
  • 15:30–16:00 質疑・休憩
  • 16:00–16:40 講演2:見えない人がどのように世界を見ているか知ってみませんか?
  • 16:40–17:00 質疑・クロージング

 

講演1概要

確率過程は、時間発展に伴って確率的に変動する現象をモデル化するための数学的道具として、物理学、数理ファイナンス、情報科学など幅広い分野で利用されています。例えば、株価の変動や、分子の運動などのモデル化に用いられているのはもちろんのこと、最近話題になりつつある画像生成AIの技術でも確率過程が重要な役割を果たしています。
本講演では、まず前半部で確率過程の概念、基本的な例(ランダムウォーク、ブラウン運動、Bessel過程)について紹介します。そして後半部で、講演者の研究対象である「終端時刻で初めて所定の値に到達するBessel過程(Bessel 引越過程)」について、その構成方法や、数値計算によるサンプルパス生成方法などについて紹介します。

講演2概要

私は小児がんをきっかけに4歳で全盲になり,これまでの23年間を視覚障害者として過ごしてきました.その人生の中で,科学,とりわけ数学の面白さに目覚め,現在は博士課程で数学の研究を行っています.研究は,点字とPCの音声読み上げ機能を併用して行なっており,様々なツールやサービスが必要不可欠な存在として活躍しています.
本講演では,私がどのように数学の研究を行なっているのか,研究をするにあたってどのような技術に助けられているのかを,これまでの経験をもとに紹介します.また,見えないが故の困りごとや,今後発展を期待している技術などについて情報共有し,参加者の皆さんと議論したいと思っていま
す.

講師

簗島瞬先生(ヤナシマシュン)
東京都立大学理学研究科数理科学専攻博士後期課程3年。日本学術振興会特別研究員。専門は確率論、確率過程論。Bessel過程に関連した確率過程について、理論・応用の両面から研究を行っている。2022年には富士通株式会社招聘研究員として統計的因果探索の研究に従事。研究と並行して音楽活動を行い、バンド「いーはとーゔ」などで鍵盤楽器奏者としても活動中。また、4歳から全盲である自身の経験を活かしたダイバーシティ推進活動などを行っている

予習会

本講演に先立ち、予習会および株式会社すうがくぶんか様協賛のスピンオフ勉強会を開催します。

  • ベーシック予習会は、高校レベルからのスタートし、数学(特に確率論)の基礎知識を簡潔におさらいするを実施する予定です。
  • アドバンスト予習会は、株式会社すうがくぶんかさんとの共催で開催するスピンオフ企画で、本講演に関連した発展的なトピックを扱います。

ベーシック予習会は有料(一般1000円、学生500円)、アドバンスト予習会は無料開催です。それぞれの回でチケットを購入された方は,その回のアーカイブ視聴をご覧いただけます。

ベーシック予習会
毎週水曜日の19時から21時に開催予定です

アドバンスト予習会(共催:株式会社すうがくぶんか)

 

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