【活動報告】 第34回 数学カフェ D加群の理論とその広がり

こんにちは、数学カフェ理事の中村です。

本日は、超局所層理論および位相的データ解析(TDA)をご専門とされている池祐一さんに、D加群についてご講演頂きました。

第34回数学カフェまとめ

実施概要

2021年4月3日(土)オンラインにて

第34回数学カフェ

D加群の理論とその広がり

を開催しました。

117名の方にご登録頂き、今回も大盛況でした!

新年度初めの貴重な休日でありながら、たくさんの方にご参加頂き、誠にありがとうございます。

本講演の登壇者である池祐一さんは、線形代数・解析学・代数学・トポロジーといった広範な分野に関連するD加群について、とても丁寧な解説とノートで、初学者にも分かりやすく伝えてくださいました。

また、参加された皆様も、とても鋭く興味深い質問で、本講演の幅を大きく広げてくださいました。

予習会への参加やSNSでの発信も含めて、本日の講演に参加された全ての方に、改めてお礼を申し上げます。

誠にありがとうございました。

講演者の池祐一さん

2018年に博士(数理科学)を取得。専門は超局所層理論および位相的データ解析(TDA)。
博士論文では層の圏に入るパーシステント的距離と層のハミルトン 変形の関係について調べ、シンプレクティック幾何学へ応用。(浅野知紘氏との共同研究に基づく)

2018年4月に株式会社富士通研究所に入社後、フランス国立研究機関InriaとのTDAに関する共同研究に従事。2021年4月より富士通株式会社に所属。

2019年10月より科学技術振興機構ACT-X研究者、2020年8月より早稲田大学理工学術院客員次席研究員。

その他、個人サイト「超局所的物置」やMathlogで数学に関する情報発信を行っている。

現在はデータ解析のためにTDAを活用するお仕事をされているとのことで、TDAの基本的なコンセプトについても、講演後のチャットでお話して下さいました。

講演者のご紹介やアブストラクトの掲載された講演の申し込みサイトはこちら

https://mathcafe-34.peatix.com/

予告動画

Zoom講演

今回は前回に引き続きZoomでの講演会となりました。

前回に比べて、チャットによる質問などが活発に行えるようになったと思いますが、まだまだ運営が不慣れで、お見苦しい点もあったかと思います。

もし改善点がありましたら、アンケート等で是非ともお知らせください。

(アンケートのURLは、Peatixのメッセージでお送りしています)

関連ツイートまとめ

運営より

本講演のテーマであるD加群は、とても幅広い関連分野を持つと同時に、線形微分方程式を抽象化するという、深淵な数学的対象なのだと思いました。

そういった様々な分野への広く深い知識を要求する理論について、池祐一さんは、前提知識を極力仮定せず、必ず初等的・具体的なわかりやすい例を元にしてお話してくださいました。

それだけでなく、後半の極めて高度で刺激的な部分、「リーマン・ヒルベルト対応」やD加群の応用・広がりにお話が差し掛かると、理論の興味深さや到達点についてとても情熱的に解説してくださいました。

完全な理解のためには多くの前提知識と長年の学習が必要になる部分なのだと思います。それでも、その凄さ・面白さは強く伝わってきました。

他に専門とされている層理論やTDAについても、池祐一さんのお話を是非とももっと聞かせて頂きたいと思いました。

次回以降の予定

次回は5月に有限/対称多重ゼータ値の講演がある予定です。
また、場の量子論についての講演も予定されています。

詳細が決まり次第、本サイトやTwitter・YouTubeチャンネル等でお知らせします。

今後とも数学カフェをどうぞよろしくお願いいたします。

(中村)

1 COMMENT

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です