沖縄県数学カフェティーチング・アシスタント体験記(小林さん)

2023年7月29・30日に開催されたおきなわ数学カフェ、
ティーチング・アシスタントの小林さんが体験記を書いてくれました。

小林龍太と申します。
私は琉球大学大学院理工学研究科に所属しており離散モース理論に関する研究をしている大学院一年生です。

参加の動機

今回参加した動機は根上さんより沖縄で数学カフェをやるにあたり、TAをしてもらえないかというお誘いを受け、参加するに至りました。最初声をかけていただいた際は、TAなどやったことなかったので、私自身力になれるか不安やChatGPT等の人工知能に触れたことがあまりなかったことによる不安がありましたが、それでも大丈夫だと言ってもらえ参加することにしました。

当日の子供たちの様子について

私自身一番感じたことは子供たちから発せられるパワーでした。今回集まった子供たちは、本当に数学が好きでこのイベントに参加しているような雰囲気があり、イベントの合間にも子供たち同士で集まり数学の問題を解いたり、教科書を開いて勉強していたり、またTAの人たちを交えて様々な数学の問題にアプローチする様子が窺えました。集まってきた子供たちの中には数学に関する研究テーマをもって取り組んでいる生徒もいたり、深く細かい所までは知らないけれど、大学レベルの話題について知っている子などがいたりして、二日間終始驚かされる場面が多くありました。二日間を通してTAからは少し疲れた様子も見られましたが、子供たちは本当に変わらない元気な様子があり、私たち自身も頑張らなければなと思わされることもありました。沖縄科学技術大学院大学の方による講演や、スポンサーの会社の社長の方、数学カフェ関係者による講演など、様々な方々による講演があり、子供たちだけではなくTA自身が学ぶことのできる機会も多くありました。各講演での質疑応答の場面では子供たちが、私たちにはない視点で、多くの質問をする様子が見られました。また私自身も質問をいくつかさせていただき、学ばせていただけたことには感謝しかありません。

当日参加していた子供たちは、最初は誰しもが初対面でしたが初日から時間が進むにつれ、次第に仲良くなり、初日のお昼を過ぎる頃には皆仲良くなっており、初日午後のワークショップでは人工知能を利用したプレゼンテーション作りを行う頃には自然と協力し合う様子が見られました。プレゼンテーション作りをするにあたり、最初はグループを三つ作ってから作成する予定でしたが、各々がオリジナルの視点を持つプレゼンテーション作りをすることになりました。話題は素数に関する話題であったり、図形に関する話題であったり、自分で考えたことをChatGPTに聞いて考えたりする子から、ChatGPTと感情に関する話題に取り組む子など、発想力豊かな話題が多く上がりました。その作成の過程においてもやはり子供たち同士の自然なつながりが、さらに強くなっているように感じました。わからないことなどは根上さんや私を含むTA全員で考えたり、アドバイスをしたりするなどして、スタッフも楽しむことができるような場面も多くありました。

子供たちとの関わり方で工夫したこと

私自身が子供たちと仲良くなることと、自分の考えを言い過ぎないことです。まずは子供たちと仲良くならなければこのイベントはなかなか難しいと思っていたので、私自身から積極的に子供たちに話しかけるようにはしていました。壁をなくすことが出来れば子供たち自身も何かわからないことがあるときに話しかけやすくなりやすいのかなと思います。自分の考えを言い過ぎないことについてですが、これは今回のイベントの主役は子供たち自身であるため、それぞれの意見や考え、プレゼンテーションの構成を尊重してあげることを大切にしていました。なので質問があれば答えを教えたりなどはせず、そのかわりにこうしたらどうなるかななど、ヒントになるような形で答えていくことを心がけていました。どの場面を振り返ってみても、子供たちには本当に楽しそうに取り組んでおり、またこちらとしても本当に楽しませてもらいました。関わってくれた皆さん本当にありがとうございました。

参加の感想

今回のイベントにTAとして参加して本当に良かったと思うと同時に、将来着く仕事でも生かすことができたらなと思います。私は将来幾何学を扱う仕事に関わりたいと考えているので、必ずどこかのタイミングで人工知能を用いた仕事に出会うのかなって勝手ながら思っています。そのタイミングがきた時に、今回体験したことで得られたことを思い出すことが出来ればなと思います。

最初は不安だらけでしたが、TAとして参加してみて本当に良かったなと思います。また沖縄でイベントが開催される際に、機会が合えばまた参加したいなと思いました。この度はお声をかけていただき、そして貴重な体験をさせていただけたこと、誠にありがとうございました。今後の数学カフェのますますの発展をお祈りするとともに締めの言葉とさせていただきます。