数学カフェ10周年記念講演のおしらせ

※当日の詳細情報は随時更新いたしますので、公式HP(https://mathcafe.net/mathcafe-anniversary/)をご確認ください。

講演アブストラクト

佐野岳人さん

「10年間の振り返り 〜 個人的視点と学術的視点から」

10年前から現在に至るまでの、私自身が辿ってきた道のりと、私の専門分野の進展について紹介します。私は10年前の2015年1月に「第一回 プログラマのための数学勉強会」を開催しました。この勉強会を通して多くの数学仲間との出会いがあり、私自身が再び数学を学び直す決意をする契機ともなりました。現在は結び目ホモロジー理論を専門としており、プログラマ時代に培ったプログラミング能力を活用して低次元トポロジーの研究に取り組んでいます。私の経験や研究内容を通して、数学は多様な関わり方ができること、そしてその道のりは必ずしも直線的でなくともいいということの「具体例」を紹介できれば幸いです。

関真一朗さん

「多重ゼータ値の10年〜Deligne−Goncharov−Terasoma−Brown以降、何を目指してきたか〜」

12秒の間、推論済み　代数的整数論の煌めきは、もう誰もが認める真実。でも、その先に広がる未知なる「数論」の世界、君は見逃せない！21世紀に人類が最初に挑むべきミッションは、Kontsevich−Zagier流「周期数論」がどれだけ壮大で豊かな冒険を秘めているか、その全貌を暴くことだ！まるで、伝説の円分体が代数的数体の中にひそむように、周期環の奥深くには多重ゼータ値が生み出す、秘宝のような特別なベクトル空間が存在する。この空間は、直和予想やZagierの次元予想によって、調和のとれた神秘的な構造を見せつけ、新たな数論の神話を生み出したのだ！だが、Kontsevich−Zagier予想の描く夢幻の世界へ一歩踏み入れるための道は、未だ超越数論という未踏の難関に阻まれている！その超越数論的な試練は、今の人類にはまさに高嶺の花。一方で、もしZagierの次元予想の上からの評価という、代数的なアプローチで取り組める問題ならば、その壁を乗り越える光が射すかもしれない！部分的な成果の蓄積を重ねながら徐々に解明されるものと思われてたその難題も、Goncharov、Deligne−Goncharov, Terasomaといった偉大な数学者たちがにその障壁に挑み、瞬く間に全貌を明らかにしてしまった！！！しかし、その快挙の裏側には、依然として我々が挑むべき未解決の課題が残っていた…！あのHoffman予想――（果たしてこんな単純な予想が成立するのか？）は健在だ！我々はその予想に向かって、新たな冒険の火を灯すはずだった…と思いきや、Brownが勇者の如く現れ、瞬く間に謎を解き明かしてしまった！その後、数学カフェという新たな拠点が誕生し、次なる挑戦が静かに幕を待つ。多重ゼータ値の冒険はまだまだ序章に過ぎない。残された多重ゼータ値研究者たちは、一体どんな秘密を追い求めるのか？　今回、この壮大な数学の冒険10年の軌跡と、果てしなき探究の旅路の全貌を、余すところなくお届けする！！お楽しみに！