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コミュニティ作りに力を入れる理由

こんにちは。数学カフェ主催の根上です。
今日は、数学カフェを運営する上でコミュニティ作りを重要と考える理由の1つを書きたいと思います。

まず、数学カフェをご存じない方に向けて簡単なご紹介を致します。

数学カフェとは?

数学カフェは、専門家のアウトリーチ活動×学びを継続するためのコミュニティです。

2015年より誰もが最先端の数学に触れられる機会を提供しています。
数学者や第一線で活躍するAI関係研究者・実務家などによる講演の他、市民の側も発表の機会を持てる双方向型であることが特徴です。
研究者→市民という一方向のアウトリーチ活動ではなく、継続的に共に学べる仲間を作ることが出来る取り組みでもあります。

2021年4月頃を目処にNPO法人化予定ですが、法人化により

  • 高大接続(中高生向けの講座)
  • 女性や性的マイノリティ、体調の優れない人の参加を促進
  • 地方と東京の教育機会の格差解消
  • 経済格差による教育機会の解消

といった課題にも取り組みたいと考えています。

活動実績は(21/1/21時点で)

  • 講演会(全32回、人数記録は23回でのべ1657人)
  • 講演の予習会・復習会(全68回のべ1092人)
  • 自主セミナー(毎週末4-7人)
  • 自習会(平日毎日2-12人)
  • 合宿(8人)
  • 2016年サイエンスアゴラへの出展(四次元の可視化)
  • 他の数学イベントへの出張講演

となっています。くわしくは活動実績を御覧ください。

これまでの参加者は数学・物理学専攻の社会人や(数学に限らない)研究者が主ですが、文系の方が学びの継続を図るために参加されています。また、共同研究する仲間や修論のテーマが見つかったという方もいらっしゃいます。

参加者のご感想

コミュニティ作りに力を入れる理由

数学カフェがアウトリーチ活動だけではなくコミュニティ運営に力を入れているのは、「学びを継続できることが重要」と考えるからです。自分の今の時点での理解力・理解度をほんの僅かでも押し広げるためにはある種の辛抱と時間がかかります。単回の講演の視聴をするだけではなく、継続的に数学に向き合いやすくすることが、(数理)科学の振興に不可欠であると考えます。

数学に向き合うとは?

では、数学に向き合うとはどういうことなのでしょうか?

数学者であり、日本では「いかにして問題を解くか」の著者としても知られる G. Polya は
著書 Mathematics and Plausible Reasoning, Volume 1 の中で以下のように述べています。

経験から最も正しい信念を得る手続きを「帰納」と言う。経験を最大限活用することは人類の重要な務めであり、その務めを果たすために働くことは科学者にふさわしい使命である。帰納的手続きは数学の研究においても登場する。(p.3-4)
可能な限り効率よく、我々の信念を我々の経験に合うよう修正することを目指す態度を帰納的態度という。(p.7)

帰納的態度とは

  • 知的な勇気、すなわち、信念を修正する勇気を持つこと
  • 知的な正直さ、すなわち、信念に矛盾する経験を得たら信念を変えるべきであること
  • 賢明な自制、すなわち、妥当な理由もなくみだりに信念を変えてはならないこと

を指す。(p.8)

文部科学省の言語力育成協力者会議(第1回) 配付資料
算数・数学の学びと言語力の育成-「筋道を立てて説明する力」に焦点を当てて-清水 静海(当時筑波大学大学院人間総合科学研究科)
には、算数・数学教育のあり方を考える文脈で上記著書の日本語のよい要約・解説が掲載されていますので、合わせて御覧ください。

数学カフェがコミュニティ作りにも取り組む理由

数学カフェがコミュニティ作りにも取り組む理由の1つは、上で挙げた帰納的態度を持ち続けられるような環境を作るのが重要だと思うからです。

– 違えることが恥ずかしくないことを確信できる場所
– 理解できるまで考え続けたいと思える場所
– 参加者間の信頼を感じられる場所

であれば、信念を修正する勇気や知的な勇気・正直さを持ちやすいと思います。

そして、間違ったことを言ったら怒られるかもしれないと怯えている環境では、理解を伴わないままに当てずっぽうで答えるなど、賢明な自制心は持ちにくいと思います。

また、既に大学等で科学的思考の訓練を受けた方々のやり取りを見ることで、上記の態度を身に着けた振る舞いも経験でき参考になると思います。
矛盾に気づくためにも他者からの指摘を受けたり議論の様子を見て疑問を持つことが大きな助けになりますね。

私も、数学カフェの参加者の方々が安易な断定を避けたり、真理の探求を目標とするからこそ指摘に感謝する姿に、科学的思考の鍛え方を学んでいます。

上記のような理由(※その他にもありますがまた別の機会に)により数学カフェはコミニティとしてのあり方も日々改善に努めています。
数学的思考とはなにか、は私もまだまだ勉強中ですので、御意見や良書のおすすめ等ありましたらぜひお寄せくださいませ。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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