群論の定義からお話します。お気軽にお越しください。
実施概要
今回のテーマは、「幾何学的群論と怪物的な無限群」です。
愛媛大学助教の加藤本子先生をお招きし、ご講演していただきます。
- 日時:11月9日 13時から19時(12時半開場)
- 開催場所:詳細は参加者の方に直接ご連絡いたしますが都内のアクセスの良いところで開催します。
申し込みサイト:https://mathcafe-japan.connpass.com/event/150782/
アブストラクト
私たちは小中学校で、様々な種類の計算を学びます。例えば足し算、引き算、かけ算、割り算。写像の合成や図形の移動も、ある種の計算と言えるでしょう。このような様々な種類の計算を、まとめて一般化したものが群の概念です。群の考え方を用いることで、新たな面白い計算規則を作り出すことができたり、一見全く別種の計算に見えるものが実は同じ計算に過ぎないことがわかったりします。
この講演では、群の定義の説明から始め、抽象的な概念である群を「目で見る」方法をいくつか紹介します(群作用、群のケーリーグラフ)。これらの方法は、例えば 1 を足す・引くという計算を、数直線上で距離 1 だけ左右に移動することと捉えるような、素朴なアイディアに基づいています。同時にいろいろな群の例を挙げ、群の世界の「世界地図」の一部を描くことにチャレンジします。
また、特に面白い群として、トンプソン群と呼ばれる無限群を紹介します。この群は、定義は簡単ですが、様々な奇妙な性質を持つ「怪物的な」群です。さらに、群論のみならず、数学の様々な分野(トポロジー、暗号理論、数理物理など)に関わりがあることも知られています。
講師ご紹介
ご講演者:加藤本子先生
ご専門:幾何学(幾何学的群論、位相幾何学)
アウトリーチに強い関心を持ってくださり、今後数学カフェを全国各地で開催するきっかけにもなりました。すでに中高生向けの数学講座を主催されていて、今回のご講演も初歩的な知識から丁寧に解説してくださるそうなので、この機会にぜひお越しくださいませ。
加藤さんよりコメント:
第二部以降では第一部で話した定義一覧を配るなど、途中参加でも問題ないように努力します。
特に、1コマ目は定義をゆっくり説明するつもりなので、群の定義を知っている(聞いたことがある)方は2コマ目からの参加で大丈夫です。
タイムテーブル
時間は目安です。
- 第一部 (13:00 – 14:30) 導入、群の定義と例
- 第二部 (15:00 – 16:30) 群作用、群のケーリーグラフ、幾何学的群論のアイディア
- 第三部 (17:00 – 18:30) トンプソン群の紹介
参考文献
[1] M. Bridson, Non-positive curvature and complexity for finitely presented groups, Proceedings of the International Congress of Mathematicians, Madrid, Spain, Eur. Math. Soc., 961–987, 2006. [2] J. Meier, Groups, Graphs and Trees, Cambridge University Press, 2008. [3] J. W. Cannon, W. J. Floyd, and W. R. Parry, Introductory notes on Richard Thompson’s groups, Enseign. Math. (2) 42, 215–256, 1996.ご注意
ありがたいことに毎回多数のお申込みがあり、すぐに満席となることがございます。
当日までの事前連絡なくご欠席されることが続いた場合、申込みをお断りさせていただくことがございます。
より多くの方にご参加いただけるよう、ご理解とご協力をよろしくお願い致します。
また、会場である東京大学への直接のご連絡はお控えいただきますようよろしくお願いいたします。 (会場の詳細はセキュリティの都合上ご参加登録された方に前日にお送りします。)
迷った、会場の入り方が分からないなどの場合は
- 当ページにございます「イベントへの問い合わせ」 から
- 主催の twitter : https://twitter.com/mathcafe_japan にリプを送る
のいずれかで連絡をしていただけたらと思います。
今回の参加費は講師の先生の交通費と謝礼、会場でのお茶菓子等に充てさせていただきます。
数学カフェについて
2015年3月より東京にて開催。 数学の諸分野の最先端を誰でも学べる場を作りたいと考え、月に1回、およそ6時間の講演会を開催しています。 https://www.facebook.com/mathcafejapan/