龍孫江さんの YouTube チャンネルのご紹介

龍孫江さんのYouTubeチャンネルのご紹介

こんにちは。数学カフェの根上です。
数学カフェは2015年から誰もが最先端の数学に触れられる機会を提供しています。

数学界隈をみんなで盛り上げていこう…!
人それぞれに合う場所があるかもしれない…!

ということで、毎週金曜日は他の数学関係の取り組みのご紹介を書かせて頂きます。

「龍孫江」さんの YouTube チャンネルのご紹介

特に、大学で学ぶ数学を独学しはじめたいな…という方に強くおすすめしたいのが
龍孫江さんの YouTube です。こちら
ファンも多い方なので私が書くのも恐れ多いですが、ぜひとも書かせて下さい。

龍孫江さんはペンネームで活動されていますが大学時代のご専門は可換環論でした。
そのご専門を生かして、代数学や位相空間論などの解説動画を公開されています。

龍孫江さんの大学時代のご専門に関するお話はこちらにて。
Hilbertの第14問題とRobertsの反例

2019年3月28日の初めての投稿以来
2021年1月28日現在506個の動画があり
その一つ一つが非常に分かりやすい解説になっています。
ちょっと尋常ではありません。

また、字がとても綺麗で音声が聞きやすく、過剰な演出がないため、内容に集中できるのもおすすめポイントです。

おすすめの活用方法

個人的なおすすめの活用法は、
まず代数学などの教科書を読み、自分ではなかなか理解できない概念・問題について
龍孫江さんの YouTube を検索して、解説を見ることです。

数学書で学ぶ様々な概念の使い所を解説されているので
自分でもまず本を読んで、定義を確認しておくのがおすすめです。

私も代数学の勉強をする際に龍孫江さんの YouTube を多数拝見しました。
毎日必ず龍孫江さんの YouTube を見る…とリマインダーをセットしていました。笑

1つ1つの動画はそんなに長時間ではなく記述も非常にシンプルですが
教科書の中で登場する概念の使い所を具体例を通じて学べて
応用範囲が広い作りになっています。
(整理して書かれているところに力量を感じます。)

独自の視点でまとめて解説

私は群論のテキストを沢山持っているわけではないのですが
龍孫江さんの動画は、教科書によく掲載されている問題をそのまま取り上げているのではなく
龍孫江さんなりの視点で分かりやすく整理して解説されていると思います。
(概念の定義を説明するというよりも使い所を説明しているというと適切でしょうか?)

たとえば、最近の動画だと

群論:唯一の位数2の要素:「有限群Gが位数2の要素をただ1つもつ」という条件から、群の型が強い制約を受けることを観察します。

という内容のものがあります。

数学書の問題では位数 2n の群に関しては巡回群か二面体群かの場合分けを問われることが多いように思いますが
その問題の背景にある “中心” とその可換性に注目が行くような構成になっています。

群論:冪写像と位数8の群:位数8の非可換群(二面体群、四元数群)において、t乗写像が群準同型となるような正整数tを総て求めます。

という動画は、「冪写像」という概念に注目して動画が構成されています。
冪写像は頻出する概念ですが、実はこれに着目してまとめているものは
自分の持っている本の範囲ではありませんでした。

このように、定義の説明と問題を解くことの間にあるギャップを独自の視点で明快にまとめていらっしゃいます。

動画であることを生かした解説

また、動画であることを生かして手順が複雑な問題も分かりやすく解説されています。

例えば蛇の補題のような、一列には並ばない複雑な図式の解説は
動画によって手を動かす順番を確認しながら勉強できるととてもいいですね。
そんな時に龍孫江さんの動画は役に立ちます。
なんと言っても解説の量が豊富なので、わからない問題があったときに類似の問題の解説に辿り着ける可能性がとても高いです。

黒板を使っている動画は、黒板の半分で定義を確認しながら
もう半分に書かれた問題の解説を聞くことが出来るので、
一度に定義を覚えにくい時にもとても親切です。

最近では、動画作成アプリLectureRecorderを使った動画も多いです。
LectureRecorder を使った動画は、書き進めながら説明したあと、まとめをスライドも表示されるので
一緒に一行ずつ考えながら説明を聞くことができます。

YouTube以外の媒体での発信

龍孫江さんはYouTubeの他にも様々な媒体で発信されています。

ツイッターアカウント

YouTubeの更新情報などもいち早く確認できます。
https://twitter.com/ron1827

 

ツイッターアカウント「可換環論bot」

特に可換環論の初歩的知識を投稿されています。

https://twitter.com/CommAlg_Bot

このアカウントで紹介されているマシュマロは質問が多くて大変そうにも思えますが
とても親切で的確なお返事をくださるから殺到するのでしょうね。

Mathlog

数式を使った解説を投稿されています。
https://mathlog.info/users/154/articles

マガジン『龍孫江の数学日誌 in note』

代数学の問題を解説するテキストを頒布しています。
https://note.com/ron1827

ある高校生からのお手紙への返信

(進路選択に悩む高校生への助言)
https://note.com/ron1827/n/na7afa3af86a8

教科書を読み、理解し、疑う。

https://note.com/ron1827/n/nbdfb98d3186a

龍孫江の数学日誌(ブログ)

http://blog.livedoor.jp/ron1827-algebras/

上で挙げたような、素晴らしいオリジナルコンテンツの制作や親切なお人柄など
様々な理由により、ぜひ数学カフェの運営に関わっていただきたいな…とお声掛け致しました。

皆さんの学習の参考になりましたら幸いです。

龍孫江さん、ぜひこれからもどうぞよろしくお願いいたします。

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今週の活動レポートと4/26-5/2の予定 | 数学カフェ今週の予定

[…] ■ 新しい企画について運営メンバーで議論をしました。早く皆様にお届けしたいですが、数学カフェが参加者の方にとって人生をポジティブに変えるような場所になるよう、様々な視点を持つメンバーの意見を持ち寄って考えています。乞うご期待です! ■ Twitterの運用を数人で担当することにしました。まずは龍孫江さんからご挨拶のツイートがありました。龍孫江さんのご紹介はこちらからどうぞ。 […]

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